ピラティスを始めたばかりの方も、長年続けている方も、「ピラティス器具ってどんなものがあるの?」「どれを選べばいいの?」と疑問に思ったことはありませんか?

この記事では、ピラティスの効果を最大化する器具・道具・グッズについて、種類から価格相場、選び方まで全てを詳しく解説します。

ピラティス器具の全体像:マシンから小道具まで

ピラティス器具は大きく分けて2つのカテゴリーに分類されます。

大型マシン(本格的な器具)

ピラティスマシンの中で最も代表的なのが、ピラティス氏が一番最初に考案したとされているリフォーマーです。身体をリフォーム(改良)できる万能なマシンという事から、その名がつきました。

マシン名 価格相場 設置スペース 特徴
リフォーマー 25〜80万円 約8畳 500種類以上のエクササイズが可能
キャデラック 30〜90万円 約6畳 安全性が高く初心者向け
チェア 15〜30万円 約1〜2畳 小型ながら30種類以上のワーク
バレル 10〜25万円 約2畳 背骨のストレッチに特化

小型道具・グッズ(手軽な器具)

マットだけでもピラティスを行えますが、道具があれば自宅でのエクササイズがより効果的になるはずです。たとえばフォームローラーやオーバーボール、セラバンドなどを自宅学習用に購入してみましょう。

  • ピラティスマット:16-18mm厚がおすすめ(5,000円〜15,000円)
  • ピラティスボール:直径20-25cm(1,000円〜3,000円)
  • セラバンド:負荷調整可能なゴムバンド(1,500円〜4,000円)
  • マジックサークル:リング状の器具(3,000円〜8,000円)
  • フォームローラー:筋膜リリース用(3,000円〜10,000円)
  • ピラティスバレル:背骨ストレッチ用小型版(8,000円〜25,000円)

なぜピラティス器具が効果的なのか?5つの理由

1. 負荷の調整が容易

マシンピラティスは負荷の調整が容易にできるため、個々の体力や目的に合わせたトレーニングが可能。効果的で体に負担の少ないエクササイズが実践できるのです。

初心者から上級者まで、自分のレベルに合わせて段階的にステップアップできるのがピラティス器具の最大の魅力です。

2. 正しいフォームのサポート

ピラティスはマシンによるエクササイズから始まっているため、身体の使い方がわからない場合や適度な負荷をかけたい場合にも、器具の調整により体幹を刺激しながら正しくエクササイズができるとされています。

3. エクササイズのバリエーション拡大

道具・器具を使い分けると異なる部位に焦点を当て、特定の筋群や柔軟性を目的に応じて強化することが可能です。

4. 安全性の向上

身体を支えてくれるバーや軽い負荷をかけられるバネ、脚をつるす台などを取り付けることで、起き上がるのが難しい状態でも安全にトレーニングする事を可能にしました。

5. モチベーション維持

ピラティスのモチベーションを維持するために、道具をすぐに取り出せる場所に保管することも重要です。目につく場所で保管することでテレビを見ながら等と気軽にトレーニングを始めやすくなります。

目的別ピラティス器具の選び方

初心者におすすめの器具

まず最初に揃えるべき3つの基本アイテム

  1. ピラティスマット:ピラティスは寝転んで行うエクササイズが多く、ヨガマットより厚みがあるマットになってます。おすすめの厚さは16~18mmで床の硬さを緩和し、身体を動かしても痛くなりにくくしてくれるのです。
  2. ピラティスボール:直径20〜25cmほどのボールです。バランスボールよりも小型で扱いやすく、手で持ち上げたり、脚で挟んだり、背中やお尻、膝裏に置いて使用
  3. セラバンド:薄くて軽く伸縮性のあるゴムバンドのことです。もともとはリハビリを目的につくられたトレーニンググッズで、ゴムバンドを引っ張りながら体に負荷をかけることで、効率的にトレーニングをすることができます

中級者以上におすすめの器具

  • マジックサークル:ピラティスの考案者であるジョセフ・ピラティスが、ビール樽についていた金色の留金具からヒントを得て作ったと言われているマジックサークル。反発性があるのが特徴で、腕や脚などに挟んで押すことで負荷をかけながら筋力をトレーニングできます
  • フォームローラー:ストレッチポールとも呼ばれる大きく太い棒状をした道具で、その上へ仰向けに寝たりゴロゴロしたりすることでエクササイズを行います。内側に巻いている肩を広げる、背骨を整えるなどのほかマッサージツールとしても使われている道具です
  • ピラティスバレル:背骨のカーブに沿った形状で、深いストレッチが可能

自宅でマシンピラティスを目指す方

折りたたみ式になっているので、スタジオ設置はもちろん、個人で自宅仕様にもぴったりです。通常価格350,000円(+送料)で、限定価格298,000円(+送料)とお手頃な値段なのも嬉しいポイント。

折りたたみ式リフォーマーなら、自宅でも本格的なマシンピラティスが可能です。ただし、リフォーマー1台を設置するには、最低でも8畳ほどのスペースが必要ですことを考慮してください。

価格帯別ピラティス器具おすすめプラン

予算1万円以内のスタートプラン

器具名 価格 優先度
ピラティスマット(厚め) 5,000円〜8,000円 ★★★
ピラティスボール 1,500円〜2,500円 ★★☆
セラバンド 2,000円〜3,000円 ★★☆

予算3万円の充実プラン

基本プランに加えて:

  • マジックサークル:5,000円〜8,000円
  • フォームローラー:6,000円〜10,000円
  • ピラティスブロック:3,000円〜5,000円
  • リストウェイト:2,000円〜4,000円

予算10万円の本格プラン

充実プランに加えて:

  • ピラティスバレル(小型):15,000円〜25,000円
  • ピラティスチェア(小型):50,000円〜80,000円
  • その他小道具一式

器具別効果と使い方の実例

ピラティスマットの効果と使い方

主な効果:

  • 床の硬さから身体を保護
  • 正しいポジション維持のサポート
  • 集中力向上(専用スペースの確保)

選び方のポイント:

  • 厚さ:16-18mmが理想(ヨガマットより厚め)
  • 素材:NBR(ニトリルブタジエンゴム)やTPE素材が◎
  • サイズ:長さ180cm以上、幅60cm以上

ピラティスボールの効果と使い方

主な効果:

  • 体幹筋の活性化
  • バランス感覚の向上
  • 内転筋の強化

基本的な使い方:

  1. 膝挟み:仰向けで膝の間に挟み、圧迫しながら呼吸
  2. 胸開き:ボールの上に背骨をのせて寝っ転がるだけでも胸や肩周りがストレッチされて気持ちいいです
  3. 腹筋強化:ボールを頭の後ろに置き、クランチ動作

セラバンドの効果と使い方

主な効果:

  • 筋力強化(全身)
  • 可動域改善
  • リハビリテーション効果

強度の選び方:

強度 適用者
黄色 軽い 初心者・リハビリ
赤色 中程度 一般・中級者
緑色 強い 上級者・アスリート

ピラティスマシンの種類と特徴

リフォーマー:万能マシンの王様

リフォーマーには、プーリー、ロープ、ストラップ、フットバーなどがあり、これらを使用して500種類ほどの動きをサポートし、座位、立位、横向き、腹臥位、仰臥位など、さまざまな体勢で使用可能で、関節への負担が少なく、流れるような流れを実現します。

価格相場:概ね25〜80万円ほどの価格帯になっており、40万円前後のマシン多い印象です

設置要件:

  • 必要スペース:長さ約2.5m、幅約60cm
  • 周囲の余裕:50cm程度
  • 床の耐久性:重量に耐えられる床材

キャデラック:安全性重視の多機能マシン

キャデラックは、病院のベッドのスプリングをヘッドボードやフットボードに引っかけ、負荷として使用していたことが元となり作られたマシンです。横になって安定した体制をとりながら、スプリングで負荷をかけてインナーマッスルを強化することができます。

価格相場:約30〜90万円前後の価格設定になっています

特徴:

  • より安全にエクササイズをすることが出来、初心者やリハビリ、体力レベルの低い方へのピラティスエクササイズを行う際にも力を発揮します
  • 左右独立した動きが可能
  • アクロバティックなエクササイズにも対応

チェア:コンパクトな万能選手

椅子型のピラティスマシンですが、ほかのマシンのように「寝る、座る、立つ」といった動きのエクササイズが可能です。小型のマシンながら30種類以上のワークができるため、小さいスペースでも効果的に全身のトレーニングが行えるのが特徴です。

価格相場:一般的に15〜30万円前後で販売されています

購入前に知っておくべき注意点

スペースと搬入経路の確認

搬入経路の確認: マシンを部屋まで問題なく入れることができるか、事前に確認しましょう。床の耐久性: リフォーマーは重量があるため、床の素材によってはへこみや跡が付く可能性があります。

レンタルという選択肢

マシンレンタル:月20,000円前後(リフォーマー)スタジオレンタル:1時間あたり1,500円前後~

購入前にレンタルで試してみることで、失敗を避けられます

指導の必要性

ピラティスマシンを自宅に買ったとしても、「マシンの使い方」や「カラダの使い方」「エクササイズのやり方」などについて、勉強しなければできるようにはなりません。

専門のインストラクターの指導を受けられない場合、効果的なトレーニングが難しくなる可能性も。そのため、多くの人にとっては、スタジオでのレッスンに通う方が経済的で効果的と言えるでしょう。

コストパフォーマンスを考えた器具選択

自宅 vs スタジオの費用比較

自宅器具導入の場合:

項目 初期費用 月額維持費
基本道具セット 15,000円 0円
充実道具セット 50,000円 0円
小型マシン 200,000円 メンテナンス費
本格マシン 500,000円〜 メンテナンス費

スタジオ通いの場合:

  • 月4回通い:月額8,000円〜15,000円
  • 月8回通い:月額15,000円〜25,000円
  • 通い放題:月額20,000円〜30,000円

マシンピラティスのレッスンを受けるのに、お金がかかるから、ピラティスマシンを自宅に置いた方が安上がりなのではないか?」ということについて、置くならモーションケアピラティスの折り畳みリフォーマーがおススメです。でももしあなたがバランスドボディなど、アメリカ製のリフォーマーやタワーでカラダを思い切り伸びやかに動かしたい。そう思うのなら、マシンピティス教室に通う方が断然安上がりです。

長期的視点での判断基準

  1. 継続性:3年以上続ける予定があるか?
  2. スペース:専用スペースを確保できるか?
  3. 学習意欲:独学でも学び続けられるか?
  4. 家族の理解:家族も使用する予定があるか?

別の視点から考える器具選択術

ライフスタイル別おすすめ器具

忙しいビジネスパーソン

  • 優先器具:ピラティスマット、セラバンド、ピラティスボール
  • 理由:短時間でも効果的、収納簡単
  • 目安予算:15,000円以内

自宅時間の多い主婦

  • 優先器具:基本セット+フォームローラー、マジックサークル
  • 理由:バリエーション豊富、ストレス解消効果
  • 目安予算:30,000円以内

ピラティス愛好家

  • 優先器具:折りたたみリフォーマーまたは小型マシン
  • 理由:本格的なトレーニング、技術向上
  • 目安予算:200,000円〜500,000円

目的別器具の優先順位

ダイエット目的

  1. ピラティスマット(全身運動の基盤)
  2. セラバンド(筋力強化)
  3. ピラティスボール(代謝向上)

姿勢改善目的

  1. ピラティスマット(基本姿勢の習得)
  2. フォームローラー(筋膜リリース)
  3. ピラティスバレル(脊椎調整)

運動能力向上目的

  1. マジックサークル(筋力・安定性)
  2. セラバンド(可動域・筋力)
  3. 小型マシン(総合的な能力向上)

購入後の効果的な活用法

道具の保管とメンテナンス

部屋の隅やクローゼットではなく、目につく場所で保管することでテレビを見ながら等と気軽にトレーニングを始めやすくなります。さらに整理整頓して保管しておけば取り出しがスムーズになり、道具の変形や故障の心配がないでしょう。

保管のポイント:

  • 目に見える場所:使用頻度アップ
  • 整理整頓:道具の寿命延長
  • 専用収納:効率的な使用

段階的なスキルアップ計画

道具によって難易度や体への負荷が変わってくるため、まずは簡単なものから始めて徐々にステップアップすると良いでしょう。

3ヶ月計画例:

1ヶ月目:マットのみで基本動作習得

2ヶ月目:ボール・セラバンド追加

3ヶ月目:マジックサークル・フォームローラー活用

オンラインレッスンとの併用

自宅ピラティス道具なしで効果を高めるには、オンラインピラティスがおすすめです。スマホやパソコンからプロのピラティスレッスンを受講できます。実際にエクササイズ指導も受けられるので、自宅で道具なしでも正しい動きでエクササイズでき、ピラティスの効果がアップ!

まとめ:あなたに最適なピラティス器具を見つけよう

この記事でご紹介したように、ピラティス器具は目的やレベル、予算に応じて選択することが重要です。

まず最初に検討すべき3つのポイント:

  1. 継続の意志:3年以上続ける覚悟があるか?
  2. 利用可能なスペース:どの程度のスペースを確保できるか?
  3. 予算の現実性:無理のない範囲での投資額は?

道具なしでピラティスを始めることは可能です。ただし道具なしで自己流でピラティスを行うよりも、正しいフォームを理解しより効果を高めるために最初はオンラインレッスンなどで指導を受けるのがおすすめ。

初心者の方へのアドバイス:

まずは基本的な道具(マット、ボール、セラバンド)から始めて、ピラティスの基礎をしっかりと身につけてください。そして慣れてきたら、より高度な器具やマシンを検討するのが賢明な選択です。

経験者の方へのアドバイス:

レッスンに行く頻度も、必要なところだけ聞ければいいので、減らしても自宅で練習できれば、減らすことだってできるでしょう。自宅に適切な器具があることで、スタジオレッスンとの相乗効果を得られ、より効率的なスキルアップが可能になります。

ピラティス器具は単なる道具ではなく、あなたの健康と美しさを支えるパートナーです。正しい選択と継続的な活用で、理想の身体と心の状態を手に入れましょう

器具選びで迷ったときは、まず基本から始めて、徐々にレベルアップしていく。それがピラティスの器具選びにおける最も確実な道のりです。あなたのピラティスライフがより充実したものになることを願っています。