ピラティスの資格取得を検討している方にとって、「どの流派を選ぶべきか?」は重要な決断の一つです。数あるピラティス流派の中でも、BASIピラティスは世界40カ国以上に展開する世界最大規模のピラティス教育団体として、多くのインストラクターが学んでいる流派です。今回は、BASIピラティスの特徴から資格取得の流れ、他の流派との違いまで、詳しく解説していきます。

BASIピラティスとは何か?その結論

BASIピラティス(Body Arts and Science International)は、1989年にラエル・イサコウィッツによって設立された、世界最大規模のピラティス教育団体です。現在では世界40カ国以上に展開し、30年以上の実績があるメソッドで、ピラティスのオリジナル様式に科学的知識などの要素が組み入れられています。

BASIピラティスの最大の特徴は「動きに無駄を作らないFlow Work」で、メソッドには10個の原則があります。10個すべてが揃ってこそ無駄のない動きが可能になり、自分のゴールを達成できると考えられています。また、PMA加盟団体のため、国内外問わずに通用する国際的な資格で、実践力が身につくことも大きな魅力です。

BASIピラティスがこの結論に至る理由

創設者ラエル・イサコウィッツの権威性

BASIピラティスの信頼性は、創設者の実績に裏付けられています。ラエル・イサコウィッツは、25年以上のピラティストレーニングをおこない、そのスタイルの機能的な美しさは世界No.1ともいわれています。さらに2022年、アメリカの「PMA(ピラティス・メソッド・アライアンス)」で殿堂入りを果たしました。ピラティス考案者であるジョセフ・ピラティスから直接学んでいない第2世代では、初めての受賞です。

この権威ある背景から、BASIピラティスのピラティスインストラクター養成コースは世界中でその質の高さが認められて、現在では世界30カ国以上、650以上のロケーションで開催されているようになり、その地域は毎年増え続けており、多くのBASI資格保持者は世界中で活躍しています。

PMA(ピラティス・メソッド・アライアンス)認定団体としての信頼性

BASIピラティス養成コースのプログラムは、質の良さから非常に高く評価されています。ピラティス指導者のための国際的な非営利団体PMA(Pilates Method Aliance)の加盟団体であることが信頼の証です。

PMA認定は世界基準の証明であり、PMAの認定団体で資格を取得すると、「世界標準に合致した指導技術を備えている」という証明になり、海外で活動したい方や国際的な認知度を重視する方にとっては強い味方となるでしょう。

体系的なカリキュラムと教育システム

BASIピラティスは、実技と理論の両方をバランスよく学べるカリキュラムが特徴です。具体的には以下のような教育システムが構築されています:

  • 解剖学・運動学の徹底的な学習:ピラティスのエクササイズを単に動作として覚えるのではなく、どの筋肉にどのような影響を与えるのか、なぜその動きが必要なのかといった解剖学や運動学の観点から深く理解することが求められます
  • マット・マシン両方の学習:BASIではマットエクササイズだけでなく、リフォーマーやキャデラック、ワンダチェアなどのピラティスマシンを活用したトレーニングも学ぶことができます
  • 継続的な学習環境:資格取得後も知識やスキルを深める機会が用意されています

BASIピラティスの具体例・事例

10個の原則による体系的アプローチ

BASIピラティスの特徴的なシステムとして「10個の原則」があります。それは気付き:Awareness、呼吸:Breath、バランス:Balance、中心:Center、コントロール:Control 集中:Concentration 能率・効率:Efficiency 流れ:Flow 正確性:Precision 調和:Harmonyです。

原則 英語 内容
気付き Awareness 身体の動きや感覚に対する意識的な認識
呼吸 Breath 動きと連動した適切な呼吸法
バランス Balance 身体全体の均衡と調和
中心 Center 体幹部(コア)を中心とした動き
コントロール Control 動きの正確な制御
集中 Concentration エクササイズへの精神的集中
能率・効率 Efficiency 無駄のない効率的な動き
流れ Flow スムーズで連続的な動き
正確性 Precision 動きの精度と正確さ
調和 Harmony 身体と心の調和

ブロックシステムによる体系的指導

BASIブロックシステムはRaelによって考案され、ピラティスレパートリーの何百ものエクササイズを分類した独特のファイリングシステムです。インストラクターはバランスが保たれ全身の筋肉群が使用できるルーティンワークが構築できるための方法です。

このシステムにより、インストラクターは決まったブロックを選択するだけで、無駄なく身体全体の筋肉を使えるルーティンワークをつくることができます。

資格取得の実際の流れと費用

BASIピラティスの資格取得には、以下のような選択肢があります:

コース種類 費用(税込) 内容
マット指導者資格コース(通学) 450,000円 36時間の授業+課題+試験
マット指導者資格コース(ハイブリッド) 350,000円 オンライン+通学の混合
マット指導者資格コース(オンライン) 298,000円 練習サポート付きオンライン完結

BASIピラティス・マット指導者資格コースは、マット→マシンの順番で資格取得が可能です。コース選択の際は、内容は世界共通となっておりますので、自身のライフスタイルに合わせて受講方法を選択できます。

就職サポートとキャリア展開

BASIピラティス資格取得者には充実したキャリアサポートが提供されます。資格取得後は、zen placeスタジオへの就職サポートがあります。働き方は2種類です。正社員・・・関東・関西・名古屋・札幌での就職、フリーランス・・・関東・関西・札幌・福岡での就職。

また、インストラクター資格取得後も、ブラッシュアップは欠かせません。BASI養成コースでは資格取得後でも学び続ける環境を重要視しているため、世界中で活躍するピラティスインストラクターを定期的に招待したワークショップが開催されています。

他の流派との比較による結論の再確認

国際的な認知度と規模

ピラティスには様々な流派がありますが、BASIピラティスの国際的な規模は群を抜いています。主要な流派との比較を見てみましょう:

流派名 展開地域 特徴 PMA認定
BASIピラティス 世界40カ国以上 Flow Work、10の原則 あり
STOTTピラティス 世界各国 解剖学的アプローチ あり
PHIピラティス 主に日本 医学的根拠重視 なし
FTPピラティス 世界各国 フィットネス要素強化 あり

学術性と実践力のバランス

BASIピラティスの最大の特徴は、その「学術性の高さ」と「国際的な認知度」です。体系的で高度なカリキュラム:基礎解剖学・運動学を徹底的に学び、実技と座学のバランスが取れている。国際資格としての信頼性:世界中のピラティススタジオで通用するため、海外での活動も視野に入れられる。指導力の養成に重点:「教える力」を育てるためのティーチング練習が充実している。

費用対効果の考察

BASIピラティス資格の費用について、一見高額に見えるかもしれませんが、以下の要素を考慮すると、その価値が理解できます:

  • 国際資格としての価値:世界中どこでも通用する資格
  • 充実した教育内容:理論と実技の両方を体系的に学習
  • 継続的なサポート:資格取得後の学習機会とキャリアサポート
  • 就職率の高さ:zen placeという大手スタジオへの就職機会

BASIピラティス資格取得時の注意点

取得までの時間と労力

BASIピラティスの資格取得には、一定の学習時間と実践経験が必要となるため、短期間での資格取得は難しい傾向があります。具体的には以下のようなステップが必要です:

  1. 講義の受講:36時間の授業参加
  2. 課題の実施:授業で学んだことを自分の知識・技術とするために課題を行うことが非常に重要です
  3. 試験の受験:最終試験は下記3つを行います。70%以上で合格です。筆記試験、Movement試験、Teaching試験
  4. 実践経験の積み重ね:レッスン見学や指導練習

学習に必要な環境整備

効果的な学習のためには、以下の環境を整えることが重要です:

  • 継続的な学習時間の確保:働きながら資格取得を目指す方にとっては、日々のスケジュールと両立させることが大きな課題となるでしょう
  • 練習環境の確保:自宅での練習スペースやスタジオでの練習機会
  • 経済的な準備:受講費用以外にも交通費や教材費などの追加費用

まとめ:BASIピラティス資格取得への道筋

BASIピラティスは、世界最大規模のピラティス教育団体として、国際的に通用する高品質な資格を提供しています。30年以上の実績を持つメソッドで、動きに無駄を作らないFlow Workが特徴です。PMA加盟団体のため、国内外問わずに通用する国際的な資格で、実践力が身につきます。

資格取得を検討している方にとって、BASIピラティスは以下のような方に特におすすめです:

  • 国際的に活躍したい方:世界基準の資格で海外でも通用
  • 体系的に学びたい方:10の原則とブロックシステムによる整理された学習
  • 実践的スキルを身につけたい方:理論と実技のバランス取れたカリキュラム
  • 継続的な成長を望む方:資格取得後のサポート体制充実

ただし、資格取得までに時間がかかる点や費用面での負担もあるため、しっかりとした計画と準備が必要です。それでも、ピラティスインストラクターとしての専門性を高めたい方におすすめの資格です。

BASIピラティスの資格取得は、単なる資格取得以上の価値があります。世界標準の知識と技術、そして継続的な学習環境を手に入れることで、真のプロフェッショナルとしての道筋を歩むことができるでしょう。ピラティスへの情熱と学習への意欲があれば、BASIピラティスはあなたのキャリアを大きく前進させる素晴らしい選択肢となるはずです。